Detrended Fluctuation Analysis(DFA)や Detrending Moving Average analysis(DMA)は、時系列データを増分としたランダムウォークが、時間の経過とともにどの程度広がっていくかを評価しています。つまり、DFA や DMA では、まず元の時系列を累積和(積分時系列)として表し、ランダムウォークのような軌道に変換します。この軌道は、時間とともに正負に変動しながら進みますが、単一の試行だけを見ると、その動きに広がりをみることは難しいかもしれません。しかし、多数の試行を考え、ある時刻を固定して軌道の位置を集めると、値は平均を中心とした分布を形成し、その分布の広がりは時間が進むにつれて大きくなっていきます。
ここで重要なのは、軌道の平均値ではなく、そのばらつきの大きさです。時間が長くなるほど、軌道が取りうる位置の範囲は広がっていきます。この「広がり方の速さ」こそが、拡散過程の本質的な特徴です。DFA や DMA は、この広がりを時間スケールごとに評価し、どの程度の速さで拡散が進んでいるかを定量化します。
下の図では、時刻0で原点から出発した「ランダムウォーク」のサンプルパスを複数重ねて描いています。一本のサンプルパスでは、必ずしも軌道が拡散的であることは見えてきませんが、たくさんのサンプルを重ねれば見れば、時間が経過するほど、軌道は統計的に広がっている(拡散している)ことがわかります。

の分布が広がる様子を描いています。もし、観測時系列
が無相関であれば、その積分時系列
はブラウン運動と同様の拡散を示します。そして、観測時系列が正規分布(ガウス分布)に従わない場合でも、それが独立同分布過程であれば、ある程度時間が経過すれば、 の分布は正規分布で近似できるようになります。

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