ケィオスの時系列解析メモランダム

時系列解析、生体情報解析などをやわらかく語ります

確率

【Rで統計入門】(7) 推定量とは:分散の推定量の仲間たち

私たちがデータを統計的に処理するとき、そのデータの背後にある真の構造 (特徴や分布など) を見つけたいと考えます。たとえば、以下のような場合です。 選挙の結果を予測するために、一部の人の投票を出口調査して全体の傾向を推測する。 製品の不良品発生…

【Rで統計入門】(6) 確率変数:大文字と小文字の使い分け

確率変数という言葉は、統計学や時系列解析を学ぶときによく登場します。今回は、確率変数の基本的な表記方法や定義、期待値の計算についてのお話です。 確率変数とは 確率変数の種類 離散確率変数 離散確率変数の例1:コインを投げる場合 離散確率変数の例2…

【Rで統計入門】(5) 確率の難所、確率空間とσ-加法族:確率の入り口であきらめないで

確率を勉強しようと意気込んで専門書を開いたものの、いきなり「確率空間」や「測度」、そして「σ-加法族 (しぐまかほうぞく)」といった謎の用語が出てきて、まるで呪文を読まされているような気分になったことが、私にはあります。「よし、確率を理解するぞ…

多重比較の問題を考える前に,p値の分布を見ておく

検定を繰り返し何度もやると,「p値の調整をしろ」と言われます.これは多重比較の問題と呼ばれるもので,何度も検定を繰り返すと,差がないのにp値が小さいものが偶然に観測されやすくなります. この多重比較の問題を理解するためには, * p値は絶対的な正…

【確率変数】変数変換したら確率密度関数はどうなるか

確率変数を変数変換する話です. 変数変換した後の確率密度関数 線形変換の例 指数変換の例 変数変換した後の確率密度関数 ここでは,確率変数が,確率密度関数 に従うとします.このとき,単調関数 (単調増加か,単調減少する関数) を使って,確率変数 が …

【データ解析】相関係数を式で考えてみる

相関係数の話の続きです. chaos-kiyono.hatenablog.com 今回は確率変数を使って考えてみます. の係数,と,との散布図の関係. 相関って線形な関係 相関する確率変数の生成 Rで互いに相関する正規乱数の生成 相関って線形な関係 平均0,分散の確率変数と,…

【データ解析】相関係数の直感的理解

相関係数の話の続きです.chaos-kiyono.hatenablog.com 今回は,相関係数が正になったり,負になったりすることを直感的に理解することが目的です. 相関係数と散布図の関係.100点の場合. 相関係数の推定量 対応する2変量の実現値が点あったとき,相関係数…

【時系列解析】相関係数

今回は,相関係数のお話です.相関というのは2つの変量間の直線的な関係性の程度を表しています.直線性とは,2つの変量の値を縦軸と横軸にとった散布図に現れる構造です.この構造のイメージを持ってほしいので,いくつか図を作りました.今日は眠いので,…