2025-12-01から1ヶ月間の記事一覧
みなさんは、「生き物」と「機械」の違い、あるいは共通点をどのように理解しているでしょうか。たしかに、犬とロボット掃除機を並べたとき、同じ仕組みで動いているとは誰も思わないでしょう。しかし 20 世紀のある時代、「生物も機械も、じつは同じ数学で…
教科書や文献には「理想のローパスフィルタ」というものが登場します。もちろん「理想」は人それぞれ違ってかまわないのですが、通常ここで言う理想とは、「ある周波数(カットオフ周波数 )より低い成分は完全に通し、それより高い成分は完全に遮断する」と…
2025年12月16日(火)、大阪大学中之島センターにて開催される大阪大学 21 世紀懐徳堂公開講座で講演を担当します。 本講座は、21 世紀懐徳堂が企画・運営し、幅広い分野の講師が市民の皆さまに向けて最新の知見を分かりやすく紹介するシリーズです…
「カルノーサイクル」。理系の大学生なら一度は耳にし、教科書や講義で「最も効率がよい理想のエンジン」と習ったことがあると思います。どの教科書にも必ず登場し、熱力学では基本中の基本です。 でも、私には正直なところ——この「カルノーサイクル」に対す…
型ゆらぎは、生体システムに広く見られる特徴的なフラクタルゆらぎです。心拍ゆらぎ、脳波パワー、呼吸リズム、歩行リズムなど、多くの生理信号では が 1 に近い 1/f ゆらぎが観測されます。 型ゆらぎを評価する手法としては、パワースペクトル解析、Detrend…
エントロピーという言葉を聞くと、多くの人は「無秩序」「乱雑さ」「情報量の平均」などの教科書的な表現を思い浮かべます。けれども、エントロピーが最初に登場した熱力学の教科書をいくら読んでも、どこか釈然としない感覚が残るのではないでしょうか。 た…
科学における「スケーリング(scaling)」という発想は、実はとても素朴な疑問から始まりました。それは、「同じ形のままサイズを変えたら、自然界の“ルール”はどう変わるのか?」という問いです。言い換えれば、ドラえもんのビッグライトやスモールライトで…
前回の記事では、EDF ファイルの読み込について説明しました。今回はその続編として、「読み込んだ脳波信号を使って、Welch 法でパワースペクトルを計算し、さらに脳波バンドのパワーを求める」ということをやってみます。 Welch 法は、脳波解析だけでなく、…
EDF(European Data Format) は、脳波 (EEG)、心電図(ECG)などの生体信号データを保存するための標準的なファイル形式です。1980年代末に提案され、今でも睡眠ポリグラフや臨床脳波、研究用 EEG などで広く使われています。 今回は、計測されたデータをパ…
時系列データの長期相関(long-range correlation)やフラクタル性を調べる代表的な手法として、DFA(Detrended Fluctuation Analysis) と DMA(Detrending Moving Average Analysis) が広く用いられています。一般には DFA の方が圧倒的に有名ですが、DFA…
私は、20代(1990年代後半)のころ、賢いふりをしたくて「現代思想」という雑誌をときどき買って読んでいました。当時は、ソーカル事件などがあって、権威主義の根底がゆらいでいるのが面白かったです。ソーカル事件というのは、アラン・ソーカル(Alan Soka…
離散時系列に FIR (有限インパルス応答) のハイパスフィルタをかけたいとき、直感的で簡単な作り方があります。それは、 「元の信号から、ローパスフィルタを通した出力を引くこと」、 ただそれだけです。 単純で当たり前の話ですが、この方法は数学的にも正…
みなさんは、ディディエ・ソネット(Didier Sornette)の「ドラゴンキング理論」を知っていますか? この理論を知らない方は以下の動画を視聴してみてください。私は、20年ほど前、東京で開催された経済物理学の国際会議で、ソネットに一度お会いしたことが…