ケィオスの時系列解析メモランダム

時系列解析、生体情報解析などをやわらかく語ります

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【Rで統計入門】(8) スチューデントのt分布:スチューデントはゴセットのペンネーム

スチューデント (Student)のt分布は、統計学において小さなサンプルサイズで母集団の平均を推定する際に重要な役割を果たします。この分布の発見は、イギリスの統計学者ウィリアム・シーリー・ゴセット(William Sealy Gosset)の業績によるものです。 この…

【Rでコピペでパス指定】Windows環境でエスケープ文字"\"をエスケープ:裏技、raw stringリテラル

Windowsのファイルパスではディレクトリ区切りに、バックスラッシュ「\」、あるいは、日本語環境では円マーク「¥」が使われます。一方、Rの文字列ではバックスラッシュ「\」はエスケープ文字として扱われるため、文字として「\」を表示したい場合は、「\」…

【Rで統計入門】(7) 推定量とは:分散の推定量の仲間たち

私たちがデータを統計的に処理するとき、そのデータの背後にある真の構造 (特徴や分布など) を見つけたいと考えます。たとえば、以下のような場合です。 選挙の結果を予測するために、一部の人の投票を出口調査して全体の傾向を推測する。 製品の不良品発生…

【RでEMD】経験的モード分解 Empirical Mode Decomposition

Empirical Mode Decomposition(EMD、経験的モード分解)は、時系列データをヒルベルト変換で扱いやすい振動成分に分解する方法です。ヒルベルト変換については,以下の記事も参考にしてください. 【Rで時系列解析】ヒルベルト変換で振動のエンベロープを抽…

【Rで統計入門】(6) 確率変数:大文字と小文字の使い分け

確率変数という言葉は、統計学や時系列解析を学ぶときによく登場します。今回は、確率変数の基本的な表記方法や定義、期待値の計算についてのお話です。 確率変数とは 確率変数の種類 離散確率変数 離散確率変数の例1:コインを投げる場合 離散確率変数の例2…

【Rで統計入門】(5) 確率の難所、確率空間とσ-加法族:確率の入り口であきらめないで

確率を勉強しようと意気込んで専門書を開いたものの、いきなり「確率空間」や「測度」、そして「σ-加法族 (しぐまかほうぞく)」といった謎の用語が出てきて、まるで呪文を読まされているような気分になったことが、私にはあります。「よし、確率を理解するぞ…