子どもがドラえもんの「4次元ポケット」に、どこか不思議で奥深い世界を感じるように「次元」という言葉には、身近でありながら正体のつかみにくい響きがあります。私たちはこの言葉を当たり前のように使っていますが、改めて考えると、その意味をはっきり説…
19世紀後半まで、数学者の多くは「連続な曲線は、ほとんどの点で滑らかに接線が引ける」という幾何学的直感を、半ば当然のものとして受け入れていました。ところが、この直感は19世紀末に大きく揺さぶられます。 Karl Weierstrass は 1872年、いたるところ連…
コッホ曲線(Koch curve)の自己相似性を説明するためのGIFアニメーションを作りました。引用なしで自由にコピーして使って構いません。 Figure: コッホ(Koch)曲線の部分を拡大すると全体と一致する。 この画像は、下図の非整数ブラウン運動と対比させるた…
2次元平面内を、時間とともにふらふらと動く点の軌跡、すなわち 2次元軌道 を考えます。たとえば、静止立位時の足圧中心(center of pressure: CoP)のゆらぎ(下図)、視覚固視中に生じる眼球の微小な揺らぎ、あるいは画面上でのポインタやカーソルの動きな…
型のパワースペクトルと一口に言っても、指数 の値によって、その統計的・物理的性質は大きく異なります。教科書や論文で典型的に議論されるのは、概ね 程度の範囲であり、この範囲で、弱定常過程、ホワイトノイズ・非整数ガウスノイズ(fractional Gaussian…
ブラウン運動と非整数ブラウン運動(fractional Brownian motion)について、しっかり理解したい人向けに、基礎の基礎から説明してみたいと思います。 1. 生物学者ブラウンの発見から、数学的ブラウン運動へ 2. 実世界で観測した時系列は「離散的」 3. 理想…
近年、統計解析や時系列解析は、多くの分野で「道具」として広く使われるようになっています。その一方で、そのような手法がどのような構造を仮定し、何を計算しているのかを十分に理解しないまま使っている学生や実務者が増えているとも感じます。統計や時…
複数のセンサで観測した信号が、実は複数の独立した「音源」の混合であった、という状況は、信号処理の分野ではよく見られます。そのような問題は ブラインド音源分離(Blind Source Separation, BSS) と呼ばれます。 BSS の代表的な手法としては ICA(Inde…
瞬時周波数や振幅を同時に推定できる TKEO(Teager–Kaiser Energy Operator) は、振幅変調・周波数変調(AM–FM)信号解析の古典的な手法です。しかし、実データへの適用を考えると、従来の TKEO 法には明確な問題があります。ごくわずかな加法ノイズが含ま…
振動する時系列信号を解析するとき、私たちはしばしば「この信号は、いまどれくらいの強さで振動しているのか」「振動の速さは時間とともにどう変わっているのか」といった問いを立てます。Teager–Kaiser energy operator(TKEO)は、まさにそのような問いに…